看護師サバイバル日記

元・万年主任が看護師の自己啓発、スキルアップそしてサバイバルについてホンネで語ることを目的にしたブログです

シンクロ井村雅代ヘッドコーチが“叱る”意味

こんにちは! 医療カイゼン委員会です。

 

リオパラリンピックも真っ只中。

日本選手活躍のニュースが続々。

ガンバレ!ニッポン!

 

そんな中、今さらですが、

オリンピックのシンクロナイズドスイミングを観て

感じたことを書きたいと思います。

 

それは井村雅代ヘッドコーチ(HC)のスゴさ!

 

以前Eテレの『SWITCHインタビュー達人達』で

スパンスパーンと歯切れの良いトークを観てから

ずっと気になっていました。

 

前回ロンドン五輪で日本は

残念ながらメダル獲得には至りませんでした。

が、井村HCが日本代表チームに復帰されて、

日本のシンクロはデュエット、

チームでともに銅メダル獲得。

デュエットの風神雷神もチームの天照大神も本当に素敵でした。

 

井村HCの指導はとっても厳しいことで有名。

 

井村雅代 不屈の魂 波乱のシンクロ人生』

井村雅代 不屈の魂 波乱のシンクロ人生

井村雅代 不屈の魂 波乱のシンクロ人生

 

 

1日12時間から14時間も練習するなど、

ハードな練習の話がわんさか出てきます。

例えば、25m息継ぎなしで、

全力で10本泳いだ直後に笑顔でシンクロ演技をする

という反復練習をしていたそうです。

“できるまでやる”

“つまらない譲歩をしない”

 

さらに連帯責任的に、

一人がミスしたら最初から演技全部やり直す、とかとか。

とにかく井村HCに選手は叱られっぱなし。

練習もハードですが、それに加えて、

とにかくカロリー消費がスゴイ。

だからムリにでも食事をしなければ筋肉が落ちてしまうそうです。

 

これって会社だったら

(見方を変えたら)

まさにブラック企業(!?)って言われかねない。

毎日残業残業で、ミスったら全体責任!なーんてね。

 

自分の病棟に当てはめると。。。

看護師長から毎日毎日、

退院サマリーの記載率が低い、

インシデント報告が多い、

手指衛生率が低い、

クレーム件数が多いとか。

いろいろ指摘されませんか?

さらに時間内に業務が終わらなければ、

時間外申告用紙を提出しても、

「あなたがタイムスケジュール通りに

 仕事がこなせなかったんだから」と言われて、

申告用紙を受け取ってもらえない、

なんて病院も。

これもブラック!?

 

一人のスタッフが看護師長の指示もないのに

時間外申請をしようものなら、

連帯責任として、

その日の指導者、プリセプター、チームリーダー、

中でも主任・係長あたりが特に叱られたりね。

 

だけど 、井村HCのキビシイ指導に比べれば甘いもの。

 

いったい日本代表チームとブラック企業(病院)とでは

何が違うんだろう?

日本代表は国を背負い、

わたしたちナースは命を背負っているのに。

何が違うの?

 

代表選手には報奨金などはあるとしても、

プロ野球選手やサッカー選手のような

高額な年俸を貰えるわけではありません。

(要するにお金の問題じゃない) 

なのに、選手たちがあそこまで頑張れるのはどうして?

 

メダルを取った選手たちはインタビューで

「毎日地獄でした」と言いながらも、

その表情は充実感にあふれています。

シゴかれたことを嬉々として話していたことが印象的。

これってその“地獄のような日々”を

バイバルしたからこそ言える言葉だし、

だからこそ選手たちはステキでカッコよくて、

わたしは心を打たれたのです。

 

アスリートの現役時代は短い。

 

でもだからこそ、

目標設定がしっかりしています。

限られた時間の中で、

ぎりぎりまで頑張ったという成功体験を身につける。

そうすると、その次のステップでも

その頑張れた自信は大きいのではないでしょうか。

 

一方、わたしたちナースは

一生現役でいられます。

長期戦です。

いきなり金メダル、世界一を目指すわけではないので

そこまで厳しいトレーニングが要るわけではありません。

でも、

そのときそのときでレベルアップしなければ

自信を持つことができないのは一緒です。

 

だから、まずは今の病棟で

一番を目指すところから始めてみてはどうでしょうか。

 

例えば、

担当した患者さんの病気について、

しっかり復習して1週間勉強すれば

その疾患については知識的には

ハンパな先輩よりも詳しくなれる。

1か月勉強すれば研修医にだって負けない。

1年その病棟で仕事を身につければ、

病棟で一番になれる。

っていうことは、

病院の中でその分野について

一番になれるということです。

さらに研究会や学会に参加することで

ナースとしてレベルアップできます。

だから、目の前の仕事をこなしていけば

どこでも通用する人財になることができるのです。

 

井村雅代 不屈の魂 波乱のシンクロ人生』

“練習はうそをつかない”

“自分の可能性を信じよ”

“毎日、1ミリの努力をしよう”

“垂直跳びで40センチ跳べる人に対して、

 三か月後に50センチ跳びなさいと

 要求するのはいかにもハードルが高い。

 けれども、明日は40センチと1ミリ跳ぼう。

 その次の日はさらに1ミリ高く。

 あきらめさえしなければ

 三か月後に必ず10センチ高く跳べるから”

 

『愛があるなら叱りなさい』

愛があるなら叱りなさい (幻冬舎文庫)
 

 

“一人ひとりに

「自分はこんなもんじゃない、もっとできる」と

 気づいてほしいのです。

 自分の本当の力を安売りするなと、

 身をもって知ってもらいたいのです。

 自分に欠点がある、課題があると

 知るのは素晴らしい体験です。

 だからダメなのではなく、

 だからこそ成長できるのです”

 

井村HCは、

目標を明確にして,

成長の可能性を繰り返し分かりやすく、

その場でパシッと叱り、でも後に引きずらず

指導してくれるから。

だからきっと選手たちは前向きに、

自分で限界を決めたりしないで、

潜在能力を信じて頑張れるんですね。

 

「オリンピック選手になりたいんですけど、

  どうしたらなれるんでしょうか?」

という子供たちの質問に対して、

井村HCの答えは決まっているそうです。

 

“「何よりもまず大事なのは、

   自分で本気でオリンピック選手になりたいと

 思うことです」

 自ら目標を掲げて、それに挑むこと。それ以外にありません”

“「自分が憧れるオリンピック選手を目指して、

 少しずつ努力していけば、

 階段を上るように一歩、一歩、

 近づいていくことができるよ」”

“オリンピック選手というと、

 どうしても特別な存在と思われがちですが、

 決してそんなことはありません。

 (中略)

 自分の夢を実現しようと、

 ひたすら努力を続けたふつうの人たちなのです”

 

 

ぶれることなく、シンクロを通して

“しんどい思いをしてでもがんばることのよさ、

 その先にあるものを味合わせてくれる”

“がむしゃらにやる、とかいう体験”

“勝った時の達成感”

そういったことを教えてくれるところが

井村HCの惹きつける力なのだと感じました。

 

井村HCが常々言うそうです。

“『あした』のことはわからない。

 あるのは『いま』だけ”

 

だから、

いま目の前の看護に集中していきましょう!

 

井村HCの大ファンになりました。

 

井村HCの名言集はこちらにも。

http://systemincome.com/

 

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