採血の“やってはいけない!”3つのポイント
こんにちは! 医療カイゼン委員会です。
今回は1年目ナースの皆さんに
採血・点滴の現場で
「お願いだからしないでね!」という
ポイントを書いていきます。
マニュアル的なことは
各施設のものをもう一度見直してみてください。
ここでは伝えたいことは
もう少し現場的なことです。
【やってはいけない①】
針を刺してから中で方向を変える。
これぜったいにしてはいけないことです。
血管に当たらなかったら、そのまま方向を変えずに抜くこと。
ところが、針を抜いてしまうと、
患者さんには失敗したことが分かってしまうので
ついつい中で方向を変えようとしてしまうのです。
しかし、中で方向を変えるということは、
組織の中を鋭い針先で傷つけるということになります。
採血の際に正中神経麻痺など末梢神経障害を起すのは
中で方向を変えるのが原因です。
ただ神経を刺しただけなら「痛い」と患者さんは言うので
すぐに抜けばよい。
それを抜かずに動かすから余計に組織や神経を傷つけることになります。
繰り返しますが、
刺した状態で針の方向を変えないことが大事です。
ちなみに上級になると、
もし血管に当たっていない場合は、
皮下ぎりぎりまで抜いてきて
そこで方向を変えてみます。
そうすれば何度も刺さなくて良いから。
【やってはいけない②】
血管を全部潰す
これは避けてください。
「点滴が入りません」と
呼ばれて行ってみたら、
良さそうな血管全部
刺されてた、なんてことが
実際にあるんです。
多くても3回やってできなければ先輩を呼ぶことです。
どこで先輩ナースを呼ぶかの線引きが大事です。
これには今の自分がでどこまでできるのかを
把握していないとできることではありません。
自分の実力がどのレベルにいるのか。
もう一度やってみて
本当にできそうなのか。
傍から見ていて
“多分ここ”という感じで刺しているように
見える新人ナースがいますが、
まず血管に当たりません。
しっかり血管を浮かせることが大事です。
血管の細い患者さんの場合青い線のようにしか見えない血管がありますが、
そのような血管では十分に採血できないし、点滴も漏れるだけです。
しっかり血管が出せていないのに、
「何とかなるだろう」、「これが血管だろう」
といった気持ちで刺しても100%当たりません。
【やってはいけない③】
失敗したときの丸投げ
上手くいかずに先輩を呼ぶことは
仕方ありません。
でも、先輩に頼むときには
採血や点滴をしやすいように
準備をしっかりしておくことが大切です。
例えば末梢を温めたり、物品をやりやすい位置に揃えたり。
ところが、というか、
それどころか残念なことに
「お願いします」といって先輩ナースに丸投げして
その場を離れてしまう新人ナースがいます。
もちろんその他にも仕事があるのは分かりますが、
そこは、自分のできなかったところを
先輩ナースがどうやってクリアするのかを
しっかり観察しておくべきポイントです。
なぜなら、次は自分ができるようになるためです。
せっかくなんだから
自分と先輩との違いは何かを見て学ぶべきところなのです。
それから、
あなたが失敗した後に
患者さんにどんなふうに声をかけるのか。
あるいはその先輩ナースだって失敗するかもしれません。
そのときにどんな風にフォローしているのか。
(ちなみに、ここでできないと先輩もカッコ悪いです)
(そして自分もこのままだと
そういうカッコ悪い先輩になる可能性=リスクがあります)
いずれにしても
基礎看護技術を安全に実践できるようになることが
最優先です。
具体的な状況で説明しましょう。
わたしの病棟では夜勤は3人態勢。
3人の中のトップは総括リーダー兼Aチームのリーダー。
もう一人がBチームのリーダー。
そして残りの一人がフリーです。
キホン、1年目ナースはフリーにしています。
朝の検温は各チームリーダーがラウンドします。
そこで患者さんのバイタルチェック、全身状態の観察をします。
そしてベッドサイドのカルテ入力。
状態によっては吸引などの処置を行います。
ここは集中して検温に回らなければならない時間帯。
ここで入院が入ろうものなら、
総括リーダーがその対応に追われます。
とにかく忙しい時間帯です。
となると、
フリーの看護師(=新人ナース)は
ナースコール対応と採血がメインになります。
だから採血くらいは自立していてほしい。
戦力になっていてほしいわけです。
先輩ナースにも山ほど仕事があります。
だから
とにかく一日も早く戦力になることです。
そうすれば、
一緒に組む先輩ナースたちも仕事を回しやすくなります。
「今日の夜勤、あの子とだ、ラッキー」って思われる新人ナース
Or
「またあの子と夜勤かぁ・・・」と言われる新人ナース
どちらになりたいですか?
先輩ナースたちは
できない新人ナースとの夜勤の回数を
陰で数えています。
おー、怖っ!