看護師サバイバル日記

元・万年主任が看護師の自己啓発、スキルアップそしてサバイバルについてホンネで語ることを目的にしたブログです

“あんちょこ”ナース

こんにちは! 医療カイゼン委員会です。

 

つい先日、私物を整理していたところ

古い手帳(ポケットサイズのシステム手帳)を見つけました。

何が書いてあったっけ?と開いてみたら。。。

手術室時代のわたしの“あんちょこ”でした。

 

新人ナースの皆さんは、“あんちょこ”っていう言葉を聞いたことがありますか?

 

先輩ナースから「自分のあんちょこ作るとイイよ」ってアドバイスされたことはありませんか?

 

Yahoo!知恵袋によると

“あんちょこ”とは

『安直(あんちょく)』が変化した言葉で、

要点をまとめたり解説した『虎の巻』、ガイドブックのことです。

わかりやすく言うと、

安直に問題の解答を見つけるために使うものの総称。

 

20代会社員の方が先輩に言われた

“あんちょこ” という言葉の意味がわからず

Yahoo!知恵袋に投稿した質問に対するベストアンサーです。

 

実は、とても古い俗語で昭和初期から使われていたようです。

 

IT化が進み、今では看護辞書のアプリで検索すれば、

知りたいことは簡単に直ぐに見つけられる時代になりました。

昭和の時代から考えるとまるで、ドラえもんの世界かも!!

 

一方で、

日々の業務の中ではアプリからいちいち検索するよりも

自分なりのマニュアルを作っておくと

同じ間違いを繰り返さなくなります。

これホント!

私自身の体験をもとにみなさんにお伝えします。

 

私が手術室に配属された1年目。

実際にmy“あんちょこ”を作成していました。

最初は意識して作っていたのではありません。

 

機械のセッティングができないと手術の進行がわたしのところで

止まってしまって先生に叱れたり。。。

 

自分のところで手術がストップしてしまうのって

すごいプレッシャーです。

 

そこで毎日経験したことを事細かく書き留めていきました。

それが積み重なって、気づいてみたら

自分のマニュアルになっていました!!

 

 

【手術室のあんちょこ】

術式ごとに次のような内容で手順書を作りました。

・麻酔薬の準備

・手術必要物品(滅菌機械、予備機械、手術キット、ディスポーザブル物品など)

・機器のセッティング(これは自分にしかわからない絵でしたが。。。)

・術野に対する執刀医、助手、器械出しナースの立ち位置(これも絵で書いて)

・入室~退室までの業務の順番は時系列で表に書く(優先順位を踏まえて)

・それぞれの医師の癖(医師によりやり方がちがうポイント)

・予測される緊急事態(根拠を踏まえて)

 

経験するたびに気づいたことを書き足して作っていったのです。

追加していくためにもファイリング式が良かったのです!

 

 

 

加えて

・どの術式の器械出し・外回りを何回経験したか正の字でカウント

・失敗したときに、何を考えたのか、何を感じたのか

・『オペナーシング』のバックナンバーで調べたこと

が書いてありました。

懐かし!

読み返すとそのときの情景が目に浮かびます。

 

自分自身が困らないように!

ただ、そのことだけを考えて1年間作り続けました。

 

すると、それが自信につながったのです。

ちょっと迷ったときにパッと自分の“あんちょこ”を見れば、

安心して業務を進めることができました。

執刀医が怖ーい先生のときでも

落ち着いて器械出しできるようになってきました。

 

“あんちょこ”って自分自身のマニュアルにもなるし、

知識の整理にもなります。

さらに、

指導する側になったときにも

役に立ちました。

ペアになったナースにも見せて

手術手順を共有することができました。

 

後にオペ室のマニュアル作成のベースに使ってもらえたのです。

わたしの描いた絵は写真に置き換えられましたが(笑)

 

「マニュアルのためのマニュアル」ではなく

実践的なマニュアルになったので

オペ室の標準化に貢献できたかな!?。

 

その時は無我夢中。

あらためて振り返るとわたしのバイブルって感じです。

 

特別なことではなく、

日々の経験を落とし込む作業。

小さな積み重ねを続けることスキルアップにはとても大切です!!

 

みなさんも、my“あんちょこ”を作ってみませんか?

 

ですから、ベテラン先輩ナースに“あんちょこ”と言われても

「そんな言葉聞いたことありません」なんて言わないでくださいね!

 

 

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