看護師サバイバル日記

元・万年主任が看護師の自己啓発、スキルアップそしてサバイバルについてホンネで語ることを目的にしたブログです

コモディティって何? ~ナースの世界で考えよう~

こんにちは! 医療カイゼン委員会です。

 

今回も英単語をテーマにして考えてみました。

最近コモディティという言葉をよく見かけます。

Commodity=日用品、必需品

石鹸やトイレットペーパーやビニール傘などなど。

 

経済の世界では

コモディティとは、

「一般化したため差別化が困難となった製品やサービスのこと」

を意味します。

コトバンク・ブランド用語集より)

 

一定のレベルを満たしていれば

メーカーにこだわらずに

一番安いものを購入します。

 

そして、

コモディティ化とは、

「市場に流通している商品がメーカーごとの個性を失い、

 消費者にとってはどこのメーカーの品を購入しても

 大差ない状態のこと」です。

 (ウィキペディアより)

 

 

これをナースの世界に置き換えると、

 

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市場   ➡ 医療

商品   ➡ 看護

メーカー ➡ 個々のナース

個性   ➡ スキルの差

消費者  ➡ 患者さん、

       あるいは病院や診療所など採用する側

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したがって、

ナースのコモディティ化とは・・・

医療の中で提供している看護において、

個々のナースのスキルの差がなくなると、

患者さんにとっては

どのナースの看護を受けても大差がない状態となります。

あるいは、病院や診療所、施設にとって

どのナースを採用しても大差ない状態とも言えます!

 

質が高ければもちろん言うことなしですが、そうでないと。。。

看護サービスにおいて、

前回エントリのエンプロイアビリティの低い人財人材になってしまう。。。

うちの部署で、

『別にあなたじゃなくても他のナースでもできるのよ!!』って

上司や先輩ナースに思われちゃうのと同じことなのです。

それって、ちょっと悲しい。。。

 

2016年度の診療報酬改定で、

7対1入院基本料の要件が強化されました。

一般病棟用の重症度、医療・看護必要度(以下、看護必要度)について

大きな見直しが行われたのです。

これにより、この基準を満たしていない施設は

7対1入院基本料の獲得が維持できなくなり、

10対1へ変更せざるを得なくなります。

 

“ナンチャッテ7対1”はなくなり、

そこが10対1になるとその分だけ看護師が余剰になります。

このような病院だと看護師が余って、入院料が下がるので、

看護師の人件費も大きな経営課題になります。

コンビニや飲食店をはじめ、一般企業では

外国人労働者が増えていることを考えれば、

病院だって、ナースがコモディティ化したら、

人件費の安い外国人看護師の受け入れ方向にきっと進むでしょう。

 

 とはいっても、

 今年2月の第105回看護師国家試験において5万5585人が合格。

 一方で、

 経済連携協定(Economic Partnership Agreement、EPAに基づく

 外国人(インドネシア、フィリピン、ベトナムから)の受験者429人のうち

 合格者は47名でした。

 この数字をみると外国人看護師の採用はまだまだですが。 

 

 

むしろ多職種の参入による人件費削減や

IT活用による効率アップの方が現実的かも知れません。

 

自動運転が現実になりつつあるくらいですから、

看護の標準化と効率化ができる

ペッパー君のような

ディープラーニングAIロボットナースだって

夢の話ではありません。

 

近い将来、ナースの就職・転職競争が激化することになり得ます!!

これって、まさにナースにとってサバイバル!!

 

一般企業ではビジネスモデルや知識がすぐに陳腐化するこの時代。

看護師の仕事はそれだけでスペシャリティを持つ強力アイテムです。

基礎看護技術を身につけ、

どの分野・部署でも経験を積んでスキルを磨いていけば、

わたしたちの看護師としての実力は陳腐化することはありません。

逃げ腰にならずに前向きな気持ちで経験を積めば

着実に成長できるのです。

 

そして、自分のノウハウを仕組み化・標準化できれば

みんなが標準的に質の高い看護を提供できるようになります。

チームや組織全体の業務が効率化できれば

生産性が上がり、職場はもっと楽しくなって、

やりがいが出てくると思います。

こうしてカイゼンを重ねることで、

次の目指す看護を組織として生み出せるようになるでしょう。

 

あなた自身が自分の職場・チームの環境を

もっともっと良くできるように考えることはとっても大切です。

そうすると、あなたの付加価値はどんどん大きくなり、

『あなたがいないと困るわ』って言ってもらえる

不可欠な人財になれるのです。

コモディティにならないように仕事をしていけば

自然にエンプロイアビリティが高まります。

 

そんなあなたの姿を

必ず誰かがちゃんと見てくれていますから!

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